筑波大学と(独)理化学研究所、富士通は11月14日、スーパーコンピューターの総合性能を評価する国際大会で日本の「京」が4部門中3部門で世界1位に選ばれたと発表した。「京」は昨年の大会では4部門で1位を獲得しており、2年連続してスパコンの総合性能で高い評価を得た。
米国のソルトレイクシティで開かれた「高性能計算技術に関する国際会議(SC12)」で「HPCチャレンジ賞」の結果を発表した。コンピューターの動作速度を評価するための基準として同賞で採用されたベンチマークの実測で高い評価を得た。
評価対象となったのは、[1]大規模な連立一次方程式を解く演算速度[2]並列プロセス間でのランダムメモリアクセス性能[3]多重負荷時のメモリアクセス速度[4]高速フーリエ変換の総合性能――の4部門。このうち「並列プロセス間でのランダムメモリアクセス性能」では米国のIBMが1位となったものの、「京」はそれ以外の3部門で最高得点を獲得した。
「京」は、(独)海洋研究開発機構に設置された「地球シミュレーター」に続いて日本の国家プロジェクトとして理研と富士通が共同開発したスーパーコンピューターで、今年の9月から理研で運用を開始した。国内外の研究者、技術者が広く利用することを前提に、高い演算性能の実現と幅広い応用をめざしている。
No.2012-46
2012年11月12日~2012年11月18日