麦味噌・麦ごはん用の高品質・多収穫の裸麦新品種
:近畿中国四国農業研究センター

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の近畿中国四国農業研究センターは10月5日、硝子率(胚乳がガラス状となる硝子質粒の割合)が低く、精麦の白度が高い高品質の麦味噌・麦ごはん用の新しい六条裸麦「ヒメハルボシ」を育成したと発表した。
 大麦は現在、生産拡大と安定供給が求められているが、このうち裸麦の国内生産は、大麦の8%程度と少なく、需給のミスマッチが続いている。また近年、裸麦の評価項目にある「硝子率」が基準値(50%以下)や許容値(60%以下)を達成できなくなってきたことが、産地で問題となっている。同研究センターでは、1995年から早生・多収で高品質の裸麦の育成を目指して人工交配を行い、改良を進め、2012年3月にハルヒメボシと名付け、種苗法に基づく品種登録出願(出願番号:第26868号)を行った。
 ハルヒメボシは、硝子率や白度の基準値を達成しやすく、栽培にあたって早生で倒伏に強く成熟期に茎が折れにくく、多収といった特性をもっている。
 同センターでは、品質評価基準が達成できず大麦生産の衰退が懸念される中、ハルヒメボシの導入が生産拡大や、需給のミスマッチ解消に繋がると期待している。

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