水観測衛星のデータを北極海調査の海洋研究船に提供
:宇宙航空研究開発機構/国立極地研究所/海洋研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月1日、北極海域を調査している海洋研究開発機構(JAMSTEC)の海洋地球研究船「みらい」にJAXAの第一期水循環変動観測衛星「しずく」が観測した北極海域の海水の分布状況や密接度などのデータの提供を始めたと発表した。「みらい」の北極海での航海安全に役立てるためで、このデータ提供は、9月11日から行われている。
 「みらい」は、情報・研究システム機構の国立極地研究所(極地研)の北極気候変動研究事業として、9月3日から10月17日までの予定で、急速に海水が減少した北極海での環境変化による生態系や気候変動システムへの影響を調べている。「みらい」の北極海域航海での最適航路や観測海域を決める判断材料として、「しずく」で得た北極海域での海水に関する各種観測データを1日3回、「みらい」に提供している。
 「しずく」は、JAXAが開発した地球環境変動観測ミッション(GCOM)初の衛星で、搭載した高性能マイクロ波放射計で水の出す微弱電磁波を検出、水蒸気の量や海面の水温など8種類のデータを天候に左右されずに地球規模で観測できる。
 今回「みらい」が得た北極海に関するデータはJAXAにも提供され、「しずく」の観測データの精度検証に利用される。

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