(独)農業・食品産業技術総合研究機構の畜産草地研究所は10月1日、隔離圃場(ほじょう)で実施する遺伝子組み換え「アルファルファ」の栽培実験計画書を発表した。
アルファルファは、最古の飼料作物といわれているマメ科の多年草。同研究所は、米国モンサント社が遺伝子組み換え技術を使って開発したリグニン含量を低く抑えた低リグニンアルファルファの環境への影響を評価する取り組みを進めており、隔離圃場で始める栽培実験計画を公開した。
計画によると、栽培実験を行うのは、那須塩原市(栃木)にある同研究所の那須研究拠点で、平成26年3月までの予定で行なう。実験は、遺伝子組み換えを行ったアルファルファと市販品種とを隔離圃場で比較栽培する形で行ない、生育特性や花粉のサイズ、種子の量、有害物質の産生性、環境への影響などを調べる。
計画では、11月上旬に隔離圃場内に幼苗を移植、来年7月まで調査・観察を続け、同8~9月に収穫を行なう予定。
遺伝子組み換えアルファルファの苗を同研究所の閉鎖系温室から隔離圃場まで運ぶ際には、密閉容器に入れて自動車で搬出し、栽培中は使用する機械や着衣などに付着した土壌、種子などが隔離圃場外に出ないようにするほか、隔離圃場にネットをかけて鳥害を防止するとしている。
栽培実験に使う遺伝子組み換えアルファルファは、米国とカナダで2007~2011年の間に延べ79カ所のほ場で栽培試験が行なわれているが、環境への影響で非組み換えアルファルファとの相違は出ていないと畜産草地研はいっている。
同研究所は、10月30日に那須研究拠点で一般を対象とする隔離圃場栽培実験計画の説明会を開催することにしている。同説明会への参加申し込みは、10月26日午後1時までにEメール(kouryu_nasu@naro.affrc.go.jp )または電話で同研究所の那須企画管理室長(TEL0287-37-7003)へ。
No.2012-40
2012年10月1日~2012年10月7日