(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月5日、地球を周回している国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」からロボットアームを使って5基の小型衛星を宇宙空間に放出することに成功したと発表した。 放出した衛星は、いずれも縦・横10cm、高さが10~20cmの大きさで、JAXAが国内から公募した3基と、米航空宇宙局(NASA)が公募した2基の計5基。JAXAが宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)に搭載してISSまで運び、この日に備えていた。 日本実験棟「きぼう」からの放出は、2回に分けて行なわれた。1回目は、ISSに滞在しているJAXAの星出彰彦宇宙飛行士が、小型衛星を取り付けた親アーム先端取付型実験プラットホームをエアロックから船外に搬出。JAXA筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制室が、地上からロボットアームを操作して実験プラットホームを放出位置まで移動。10月4日午後11時37分、星出宇宙飛行士のコマンドにより和歌山大学と東北大学が共同開発した「RAIKO」と、明星電気(株)開発の「WE WISH」を放出した。 その約1時間後の5日午前0時44分、今度は地上の「きぼう」運用管制室からの操作で福岡工業大学開発の「FITSAT-1」とNASAの2基を地球周回軌道に投入した。 投入軌道は、いずれも高度350~400km程度の円軌道。JAXAは、軌道周回寿命を100日程度とみている。 ISSからの衛星放出は、衛星に加わる衝撃がこれまでのロケットによる打ち上げより少なくなることから、衛星の設計が楽になるという。 また、ISSに物資を補給している各国のロケットを利用して衛星を「きぼう」まで運ぶようにすれば、衛星打ち上げの機会を多くすることができるとJAXAは期待している。
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日本実験棟「きぼう」の実験プラットホーム(右下)から放出された福岡工業大学や米国の小型衛星(提供:JAXA/NASA) |
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