北極海の海氷面積さらに縮小、最小記録を更新
―水循環変動観測衛星「しずく」が捉える
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月20日、北極海の海氷の面積が9月16日に観測史上最小の349万km2になっていたことが同機構の第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)の観測結果から分かったと発表した。
 今年の北極海の海氷面積は、縮小が続き、8月24日に観測史上最小の421万km2を記録したが、それから1カ月たたないうちに、さらに日本の面積の2倍弱にあたる72万km2も小さくなったことになる。
 北極海の海氷縮小の背景としては、1980年代以降増加傾向にある北半球の気温上昇に伴い、海氷の厚みが徐々に薄くなり、気温や風、海水温の影響を受けやすい状態に変化してきていることが挙げられている。
 今年は、さらに夏期に大型の低気圧が北極海上空に発生して海氷の融解縮小が進んだことなどが加わったとJAXAはみている。
 北極域は、すでに海氷面積が増加に転じていることから、9月16日の面積値が今年の最小値になるものとみられる。

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上は1980年代の9月最小時期の平均的分布(米国衛星搭載マイクロ波センサの解析結果)。下が9月16日に観測された史上最小とみられる海氷の状況(提供:JAXA)