ISS補給機「こうのとり」3号機、任務終える
―再突入データ収集装置「i-Ball」写真撮影に成功
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月14日、今年7月に国際宇宙ステーション(ISS)に向け打ち上げた宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)が約56日間にわたる任務を終えてISSを離脱、日本時間の9月14日午後2時27分頃、大気圏に再突入し、任務を終了したと発表した。
 「こうのとり」3号機は、高度約400kmで地球を周回するISSに長期滞在中のJAXAの星出彰彦宇宙飛行士らに補給物資を運ぶため、平成24年7月21日にJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-ⅡBロケット」3号機で打ち上げた無人の宇宙船。
 約56日間の任務を終えた「こうのとり」3号機は、日本時間の9月13日午前0時50分にISSを離れ、スラスタ(小型エンジン)噴射を開始、高度約120kmで大気圏に再突入した。「こうのとり」3号機に搭載していた再突入データ収集装置「i-Ball」は、再突入時の模様を撮影、加速度・温度などのデータを採取、午後3時3分頃、チリ西方沖の南太平洋に着水したことが確認された。データは正常に受信されており、JAXAは、解析作業を進めているという。
 同機構の立川敬二理事長は、「『こうのとり』3号機では、メインエンジンや姿勢制御用スラスタなどを海外調達から日本製に切り換えて国産化率を上げた。また3回続けて成功したことで我が国の優れた宇宙機の製造技術を世界に示すことができた」と述べている。

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大気圏に再突入して高度約70km地点で「i-Ball」の後方カメラで撮影した「こうのとり」3号機の一部(提供:JAXA/IHIエアロスペース)