(独)産業技術総合研究所は6月8日、味の素(株)と共同でフィルム状の薄くてフレキシブルな大面積圧力センサーを開発したと発表した。 圧力(力)が加わると電圧が生じる圧電性の圧力センサーを大面積のプラスチック基板上に印刷で安価に形成することに成功したもので、実用化が期待される。 安心・安全な社会の実現に向け、センサーネットワークが注目され、圧力センサー利用の床ずれ防止ベッドなどが考えられている。しかし、既存の圧力センサーは、非常に高価で、かつ複数の小さなセンサーを一枚の基板上に並べるアレイ化が難しい、などの課題を抱えている。 新圧力センサーは、「ポリアミノ酸」と呼ばれる圧電性材料(圧電体)を新たに共同開発し、それをインク化して全ての製造工程を印刷で行い実現した。 産総研は、フレキシブルな電子デバイスの研究開発に力を入れており、これまでに全印刷メモリーアレイなどを開発済みで、その印刷技術を活用した。 開発した圧力センサーのアレイは、プラスチック基板の上にスクリーン印刷で銀電極を形成し、その銀電極を設けた基板2枚の間にポリアミノ酸の圧電体薄膜を挟んだ構造。これまでに縦・横各80cmの大面積圧力センサーアレイを作っている。 産総研は、この新技術を使えば安価な圧力センサーを大量に供給できるようになるとしており、圧力センサーの新用途を提案していく予定という。
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全印刷フレキシブル圧力センサー(提供:産業技術総合研究所) |
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