“宇宙帆船”を実証する「IKAROS」の開発を宇宙開発委に報告:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月9日、平成22年度の打ち上げを目指し小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の開発を進めるとする計画を同日開かれた宇宙開発委員会に報告したと発表した。
 風を受けて海を走る帆船のように宇宙空間で大型の薄い膜でできた“帆(セイル)”を展開し、その超薄膜太陽帆が太陽からの光の粒子(光子)を反射する力で推進する宇宙船をソーラーセイルという。
 ソーラー電力セイルは、ソーラーセイルによる推進と薄膜太陽電池を貼り付けた電力セイルによる発電を組み合わせた日本独自のコンセプトの“宇宙帆船”で、実証機「IKAROS」により世界に先駆けソーラーセイルによる光子加速を実証し、電力セイルでの発電を確認するとしている。
 JAXAは、「IKAROS」を、平成22年度に「H-IIA」ロケットで打ち上げる予定の金星探査機「PLANET-C」に相乗りして打ち上げる計画。「IKAROS」の重さは315kgで、宇宙空間に達した時点で折りたたまれた超薄膜太陽帆を一気に広げ、光子加速の実証を行う。超薄膜太陽帆は、対角線の長さが20mの正方形で、帆の一部に薄膜太陽電池を貼り付け電力セイルの機能を併せ持たせて発電の確認が行えるようにする。
 「IKAROS」の開発には、日本大学や東京工業大学など13の大学と理化学研究所が協力する予定。

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