月周回衛星「かぐや」使い月の地殻の成分を解明:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月10日、同機構の月周回衛星「かぐや」を使って月面のクレーターを調べた結果、ほぼ100%斜長石から成る斜長岩が月の高地の地殻に広く分布していることが分かったと発表した。
 月の高地の地殻は、かつてあったとされるマグマオーシャン(高温の溶岩の海)から斜長石が結晶化し、形成されたと考えられ、斜長石90%とそれ以外の鉱物10%からできているとこれまで推定されていた。
 今回の成果は、「かぐや」に搭載されているマルチバンドイメージャー(MI)と呼ぶ可視域から近赤外波長域までの9つの観測バンドで月からの反射光を分析して鉱物分布を調べる機器を使い69のクレーターを観測して得たもの。NASA(米航空宇宙局)の「アポロ16号」が月から持ち帰った斜長岩も斜長石90%とそれ以外の鉱物10%からできていたが、それを覆す知見で、今回得られた成果の論文は9月10日発行の英国の科学誌「ネイチャー」に掲載された。

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