(独)産業技術総合研究所は9月10日、介護予防リハビリ体操(シルバーリハビリ体操)の体操指導士を補助する人間型ロボットをゼネラルロボティックス(株)、茨城県立健康プラザと共同開発したと発表した。 可愛い外観の身長が70cmのロボットには「たいぞう」という名前がついており、約30種のシルバーリハビリ体操をするのに十分な26個の関節と、体操指導士や体操参加者と簡単な音声対話ができる機能を持っている。 シルバーリハビリ体操は、茨城県立健康プラザの大田仁史管理者が考案した介護予防を目的とした体操で、立ったり、座ったり、歩いたりする日常生活を楽にすることができる。身体部位に合わせて約300種類の体操が考案されているが、実際に現場指導されているのは約30種類。 茨城県では、シルバーリハビリ体操を指導するボランティアの体操指導士(シルバーリハビリ体操指導士)が既に2,700人以上誕生しており、更に育成中。この指導士を助けるのが「たいぞう」。 この体操考案者の大田さんは、体操に参加する高齢者の意欲向上のため、体操を実演できるロボットを長年考えてきたが、(独)科学技術振興機構の地域イノベーション創出支援事業の育成研究課題に取り上げられ、2007年1月から開発が始まり、「たいぞう」の実現につながった。これまでに試作された「たいぞう」は、2007年11月の「茨城ねんりんピック」、2008年11月の「介護の日」などで披露され、体操の指導現場での実証実験を重ねてきたが、その実験が完了し今回の発表となった。 ゆっくりしたシルバーリハビリ体操の動作ができる新開発のサーボモーターと軽量で剛性の高い板金機構を組み合せて製作した「たいぞう」の実証実験では、シルバーリハビリ体操指導士が前期高齢者への体操指導に使えることを確認している。また、「たいぞう」が一緒に体操することで、体操参加者の意欲向上に一定の効果があることも認められた。 同研究所では、2010年度を目途に短期リースによる「たいぞう」の事業化を予定している。
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「たいぞう」の外観(提供:産業技術総合研究所) |
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