(独)産業技術総合研究所は9月10日、ファインセラミックス技術研究組合、日本特殊陶業(株)、東邦ガス(株)と共同でマイクロチューブ型と呼ばれる方式の「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」を集積したコンパクトで低温運転が可能な燃料電池モジュールを開発したと発表した。
マイクロモジュール型SOFCは、チューブ状にしたSOFC。チューブ径を小さくすることで体積当たりの発電出力が飛躍的に増加する特徴がある。今回開発したのは、そのSOFCを90本集積した低温で作動するモジュールで、1cm3当たり2Wという高い発電密度と、40%以上の発電効率で50W以上の発電出力を達成した。
SOFCは、通常800℃以上に加熱する必要があるため適用分野が限られる難点があるが、低温化にも成功、500~650℃で運転できるようにした。
同研究所は、「今回開発したマイクロチューブ型SOFCのモジュール化技術により、小型移動機器用電源となる数十Wクラスから、自動車用補助電源・家庭用電源に適用可能な数kWクラスまでの実用化展開が加速するものと考えられる」といっている。
既に次のステップの200W級モジュールの開発にも成功しており、今後200W級モジュールを用いて小型コージェネレーション(熱と電気の併給システム)などへの適用性を評価していくことにしている。
No.2009-36
2009年9月7日~2009年9月13日