(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と(独)理化学研究所は8月18日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の船外実験プラットフォ-ム(EF)に設置されている全天X線監視装置(MAXI)を作動させ初画像を得ることに成功したと発表した。
この画像は、MAXIのX線カメラの内のガススリットカメラ(GSC)を用いて日本時間(以下同様)8月15日15時から同16時30分にかけて撮影された。
MAXIは、JAXAと理研が阪大、京大などの協力を得て開発、今年7月に打ち上げられた米国のスペースシャトル「エンデバー号」でISSに運ばれ、同月24日に「きぼう」に取り付けられ、8月3日から順次、機器を立ち上げてきた。発表画像は、露出時間や位置ずれなどの補正処理前のものだが、30個ほどの主要なX線天体を捉えており、カメラが正常に働き、予定の感度が達成されているのが確認された。
MAXIは、このようにして全天で1,000個を超えるX線天体の1日から数カ月にわたるX線の強度変化を従来の全天監視型観測装置より10倍高い感度で90分(ISSの地球一周時間)ごとに観測する。今後、X線天体の観測データを蓄積すると共に、X線天体の位置やエネルギー強度を正確に決めるための較正作業を行い、今年11月末から開始する少なくとも2年間の定常運用に備える。
No.2009-33
2009年8月17日~2009年8月23日