円周率計算桁数で世界記録を樹立:筑波大学

  筑波大学は8月17日、円周率計算で桁数2兆5769億8037万桁の世界記録を樹立、ギネスブックに登録申請したと発表した。同大学計算科学センターの高橋大介准教授が同大学のスーパーコンピューター「T2K筑波システム」で計算した。従来記録は、東京大学などのグループが2002年に達成した1兆2411億桁で、今回の記録はそれを約2倍更新した。
 円周率は、分数では表せない無理数として知られ、より正確な値を求めようとする試みが続けられてきた。計算機による円周率計算は、1949年に2,937桁まで得たのが最初で、1973年には100万桁、1989年には10億桁に達した。これまでの円周率計算の世界記録は、並列型スーパーコンピューターによって得たものだが、その計算には検証計算時間を含めて約600時間かかっている。
  それに対して今回の筑波大学の場合、高性能PCサーバーを648台接続する総演算性能毎秒95兆回の「超並列クラスター型」と呼ばれるスーパーコンピューターを用い、さらにプログラムの効率化によって、計算桁数が従来記録の約2倍あるのに計算時間は検証計算時間込みで、これまでの8分の1以下の73時間36分(主計算に29時間5分、検証計算に44時間30分)だった。
 今回の計算は「T2K筑波システム」の性能・信頼性などの評価のための高性能計算の一例として実施された。行なった主計算と検証計算の結果を比較したところ、2兆5769億8037万7600桁の計算結果は最後の76桁を除き、全て一致していた。
 しかし、公表記録としては、安全性と記憶し易いように、切りの良い2兆5769億8037万桁とした。

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