「H-IIB」ロケット開発完了を宇宙開発委員会に報告
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月19日、同日開かれた宇宙開発委員会に次期大型ロケット「H-IIB」の開発を同月17日に完了し、9月11日に試験機を打ち上げることを報告したと発表した。
 H-IIBロケットは、現用の「H‐IIA」ロケットの後継機としてJAXAと三菱重工業(株)が共同で開発してきた我が国最大の2段式ロケット。1段目、2段目共、液体水素と液体酸素を推進薬とする、最高度の技術が必要ないわゆる「液酸・液水ロケット」で、1段目の直径はH‐IIAより1.2m太い5.2m、全長は56.6mに達する。
 1段目の周囲には、4本の固体ロケットブースターが付き、高度36,000kmの静止軌道に重さ約8tの静止衛星を投入できる能力を持つ。
 このH-IIBロケットは、国際宇宙ステーション(ISS)の日本人宇宙飛行士への補給物資輸送と、複数の人工衛星の同時打ち上げなどに使うことを目指しており、9月11日にJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)大型ロケット発射場から打ち上げるH-IIBロケット試験機には、長さ約10m、直径同4mのISS補給機(HTV)技術実証機が搭載される。同試験機の打ち上げは、ISSとの関係から異例の深夜午前2時4分前後に行われる予定。
 H-IIBロケットの開発完了により、今後我が国の宇宙開発はH‐IIAと同Bの両方を併用して推進されることになる。

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「H-IIB」ロケット(提供:宇宙航空研究開発機構)