(独)理化学研究所と京都大学は3月24日、「ヒト由来iPS細胞（人工多能性幹細胞）」の提供と「ヒトES細胞（胚性幹細胞）」の分配を開始すると発表した。
iPS細胞は、様々な種類の細胞に分化し、無限に増殖する能力を持つ細胞。受精卵を用いず体細胞を用いて作製できるため、ES細胞よりも倫理的ハードルが低く、基礎研究から、創薬や再生医療に至るまで幅広い応用が期待されている。
我が国では、京都大学が2008年7月から、営利機関を対象にヒト由来iPS細胞の提供を行っているが、今回、理化学研究所バイオリソースセンター（理研BRC）が、京都大学の山中伸弥教授からヒトiPS細胞2種類の寄託を受け、提供体制が整ったため、非営利学術研究機関に対し、2009年3月25日から提供希望者の受付を開始、1アンプル28,000円で提供することにしたもの。希望者は、京都大学に指定の「誓約書」を提出し、理研BRCと生物遺伝資源提供同意書を結んだ後、理研から希望する株のヒトiPS細胞を受領する。
理研BRCは、3月25日から、京都大学・中辻憲夫教授らによって日本で初めて樹立されたヒトES細胞「KhES-1」の分配希望者の受付も開始する。KhES-1に次いで日本で2番目、3番目に樹立されたヒトES細胞株「KhES-2」、「KhES-3」の分配は、準備が整い次第、改めてホームページなどで発表するという。
No.2009-12
2009年3月23日～2009年3月29日
