メラミンを効率良く分解する細菌を発見
:農業環境技術研究所/興和総合科学研究所

 (独)農業環境技術研究所は3月27日、製薬会社・興和(株)の興和総合科学研究所と共同で、工業原料の一種メラミンを効率良く分解する新規微生物(細菌)を土壌中から発見したと発表した。
 メラミンは、樹脂や塗料の原料として大量に生産されているが、近年、海外で食品・飼料原料に意図的に混入される事件が起き、ペットや人間に対する健康被害が問題になっている。今回の新規細菌発見は、メラミンで汚染された環境を浄化・修復する技術開発やメラミンを含む廃棄物の有効利用につながることが期待され、同研究所は引き続きメラミンを分解する処理技術の開発を目指すことにしている。
 メラミンによる腎毒性などの健康被害は、メラミンとその分解物のシアヌル酸との複合効果によって起こる。発見した細菌は、メラミンをシアヌル酸にまで分解することができる。
 同研究所は、既にこれまでの研究で、除草剤のシマジンを分解する細菌によってシアヌル酸をアンモニアと二酸化炭素にまで完全に分解できる発見をしており、今回の細菌と組み合わせることでメラミン完全分解の道が開けたという。
 同研究所は、このメラミン分解細菌を単離し、菌学的な性質と遺伝子配列とから、この細菌を新種の「ノカルディオイデス属細菌 ATD6株」と同定した。

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