実大震動実験で鉄筋コンクリート橋脚の破壊過程捉える
:防災科学技術研究所

 (独)防災科学技術研究所は10月15日、同研究所兵庫耐震工学研究センター(兵庫・三木市)の実大三次元震動破壊実験施設「E-ディフェンス」で行った兵庫県南部地震時の鉄筋コンクリート(RC)橋脚被害の再現実験で、これまでに例のない破壊過程を捉えたデータが得られたと発表した。
 1995年(平成7年)1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では、RC橋脚に甚大な被害が生じた。
 今回の実験は、1970年代に建設されたRC橋脚を再現した実大橋脚をE-ディフェンスの震動台上に構築して行われ、兵庫県南部地震でJRの鷹取駅(兵庫・神戸市)構内で記録された地震動の約80%の揺れを入力した。その結果、兵庫県南部地震で見られたRC橋脚のせん断破壊現象が再現され、一瞬にして表面コンクリートが崩落し、主鉄筋の変形(座屈)、帯状の円周鉄筋が外れるという一連の破壊過程を捉えることができた。
 同研究所では、今回の実験で得られたデータを元にして橋脚の破壊メカニズムの解明を図りたいとしている。

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