(国)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は3月24日、施設栽培のピーマン類を害虫から守る昆虫である「ギフアブラバチ」を生物農薬として登録したと発表した。野菜茶業研究所の研究。アリスタライフサイエンス(株)が4月から「ギフパール」の商標で販売する予定。また、農研機構では、「ギフアブラバチ利用技術マニュアル」を公開した。
ピーマンの施設栽培で問題になっているのは、ジャガイモヒゲナガアブラムシという害虫。この虫が発生すると果実に被害が生じ可販率が低下して大きなダメージを受ける。しかし、これまでの生物農薬を含む農薬では、効果的に防除できなかった。
今回生物農薬として登録した昆虫は、ギフアブラバチで、果実への被害や葉の変色などが見られる栽培圃場(ほじょう)に導入すると、ジャガイモヒゲナガアブラムシの密度を速やかに減少させることができるという。
また、この生物農薬は、甘長トウガラシ、カラーピーマンで発生するモモアカアブラムシに対しても高い防除効果がある。
ギフアブラバチは、日本国内に広く生息する土着種で、野外から採取して防除に利用することもできるという。利用マニュアルは、URL:http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/vegetea/pamph/061908.htmlから入手できる。