(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月5日、金星に向け飛行を続けている探査機「あかつき」の軌道修正を7月下旬に行い、計画通り目的の軌道に乗せることに成功したと発表した。これにより、12月7日の金星周回軌道への再投入を目指すことになる。
「あかつき」が金星の大気観測を目指して「H-ⅡA」ロケット17号機で打ち上げられたのは、5年前の2010年5月。所定の軌道に乗って金星に向かったが、同年12月、金星を回る周回軌道投入に失敗した。
「あかつき」は、幅約5mの大きな太陽電池パネルが付いた約1m×1.45m×1.4mの箱型の衛星で、重さは500kg。12月7日の金星周回軌道投入は、搭載する姿勢制御用エンジン4本を使って行う。
金星は、“地球の兄弟星”といわれるが、高温の二酸化炭素の大気に包まれ、硫酸の雲が浮かぶなど環境が地球と全く違う。
JAXAは、「あかつき」を8〜9日で金星を周回する楕円軌道に乗せて金星全体の気象現象や金星表面の様子などを赤外線カメラなどで捉え、その観測データを地球に送って金星大気のナゾ解明に役立てたいとしている。