シンクロトロンの大幅性能アップに成功
:J-PARCセンター(2015年2月6日発表)

 高エネルギー加速器研究機構と(独)日本原子力研究開発機構の共同運営組織のJ-PARCセンターは2月6日、大強度陽子加速器施設「J-PARC」(茨城・東海村)の「3GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロン」の試験運転で1MW(メガワット)相当のビームパワーでの陽子の加速に成功したと発表した。

 シンクロトロンは、陽子などの粒子を加速するリング状の加速器で、J-PARCは、リニアック(線形加速器)と、3G電子V、50G電子Vの2つのシンクロトロンからなる加速器群と、物質・生命科学実験施設などの実験施設群を備えている。

 今回の1MW相当の陽子ビームの加速は、周長300mの3GeVシンクロトロンの電磁石の磁場などを精度よく調整することにより達成したもので、同規模のシンクロトロンのこれまでの世界最高性能を大幅に上回っている。

 同センターは、さらに3GeVシンクロトロンの試験を重ね、次のステップとして物質・生命科学実験施設に1MWの陽子ビームを供給できるようにもっていく計画。物質・生命科学実験施設に1MWの陽子ビームが供給されれば、「創薬にかかわる多くのタンパク質など、これまで見えなかったものを見ることができるようになる」という。

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