(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月3日、昨年の12月に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」の初期機能確認を行い、同探査機が地球から約3億km離れた目指す小惑星に向け順調に飛行を続けていることを確認したと発表した。
「はやぶさ2」は、2014年12月3日、JAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)からH-ⅡAロケット26号機で打ち上げられ、約3億km彼方の小惑星「1999JU3」に軟着陸して、「太陽系の起源・進化と生命の原材料物質の解明」に向けてサンプルの採取を行い、2020年末頃に地球に戻ることを目指している。
初期機能確認は、「はやぶさ2」がどのような状態で飛行を続けているかをチェックするための作業。
一つは、イオンエンジンの試運転。「はやぶさ2」は、4台のイオンエンジンを搭載しているが、1台ずつ稼働を確認し、24時間の連続運転を達成した。
また、「Ka帯通信」と呼ばれる「はやぶさ2」が小惑星近傍から観測したデータを地球に送る際に使う通信方式の実験も「はやぶさ2」と米航空宇宙局(NASA)との間で行い、通信に成功した。
「はやぶさ2」は、引き続き、複数の機器の連係動作などの機能確認を行い、3月頃からイオンエンジン噴射で速度を上げ小惑星に向かう。JAXAは、「現在、探査機は万全の状態にある」と言っている。