(独)森林総合研究所は8月29日、日本かおり研究所(株)と連携して推進していた「トドマツの枝葉を利用した空気浄化剤の開発」の研究が「第12回産学官連携功労者表彰~つなげるイノベーション大会~」で農林水産大臣賞を受賞したと発表した。使い道のなかった枝葉から画期的な空気清浄剤を開発、事業化を進めたことが評価された。
受賞したのは、同研究所バイオマス化学研究領域樹木抽出成分研究室の大平辰朗室長と日本かおり研究所の金子俊彦社長。トドマツの枝葉の香り成分が二酸化窒素などの環境汚染物質に対し強力な浄化能力をもつことを見出し、化学的な特性を解明。成分を空気中に放出することにより短時間で効果的に空気を浄化でき、リラックス効果も備えた新しい空気浄化剤を開発。さらに、成分抽出の低コスト・大量製造技術を確立するとともに、事業化を達成したことが受賞の理由。
「産学官連携功労者表彰」は、大学や公的研究機関、企業などの産学官連携活動で大きな成果や先行的な取り組みを行うなど、産学官連携の推進に貢献した成功事例に贈られるもので、平成15年に創設された。同研究所の受賞は、平成23年に次いで2回目。表彰式は、9月12日に東京・有明(江東区)の東京ビッグサイトで開催される「イノベーション・ジャパン2014」内で行われる。