(独)物質・材料研究機構(NIMS)は5月20日、2014年の「NIMS賞」を京都大学の澤本光男教授と、米国カーネギーメロン大学のクリストフ・マテャシェフスキー教授に授与するとともに、7月1日から3日までの3日間、つくば国際会議場(茨城・つくば市)で「ソフトマテリアルが拓く未来社会」をテーマに世界最先端の研究者を招いての国際会議「NIMSコンファレンス」を開催すると発表した。
NIMS賞は、物質と材料に関する科学技術で優れた業績を挙げた研究者に送られる賞。今回は、ゴム、プラスチック、液晶、ゲルなどに代表される「ソフトマテリアル」に関する研究業績を対象に世界の68人の候補者の中から有識者委員会が両氏への授与を決めた。
澤本教授の受賞は、精密制御が困難と考えられていたカチオン重合、ラジカル重合で副反応を抑えた精密重合法「リビング重合」を世界に先駆けて開発したことが評価された。
また、K・マテャシェフスキー教授は、さまざまな分子量、組成、形状を持つ高分子の合成を容易にした「ATRP法」と呼ばれる重合法を開発、材料科学・生命科学分野に大きな変革をもたらしたことで受賞した。
一方、NIMSコンファレンスは、毎年行っている国際会議。今回は、11回目で、初日の7月1日にNIMS賞の授賞式と、受賞記念講演が行われる。