(独)農業生物資源研究所は5月15日、農畜産物のゲノム情報(生物の全遺伝情報)を育種に有効活用するための「アグリッド(AgrID)」と呼ぶデータベースを開発し、同日ウェブを通じて公開したと発表した。ウェブのアドレスは、http://agrid.dna.affrc.go.jp/。
生物のDNA(デオキシリボ核酸)の配列を解析するゲノム研究は、超高速のDNA解読装置「次世代シーケンサー」の登場で解読の高速化が進んでいる。
しかし、次世代シーケンサーで得た大量のDNA情報の中から農畜産物の育種に役立つ情報を見出すには大量のデータを解析するシステムや、その解析結果を管理・閲覧するためのデータベースがいる。
新開発の「アグリッド」は、農畜産物の大量のゲノム情報から必要な情報を「見つけて」、「使える」ようにするデータベースで、「このデータベースを使えば、大型コンピューターを持たない人でも大量のゲノム情報の解析が可能になるため、育種の加速が期待される」と同研究所はいっている。