(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月14日、国際宇宙ステーション(ISS)に乗り組み、日本人として初のISS船長を勤めた日本の宇宙飛行士若田光一さんが同日午前10時58分(日本時間=以下、時間は全て日本時間)、同僚の米ロの宇宙飛行士2人と中央アジア・カザフスタン共和国中部の草原に無事着陸、地球に帰還したと発表した。若田さんの今回の宇宙滞在日数は188日で、1回の宇宙飛行では日本人宇宙飛行士として最長を記録した。
■日本人初のISS船長務める
若田さんの宇宙飛行は今回が通算4度目でISS滞在は2回目。今回は米ロ2人の宇宙飛行士とともにISSの第38次/39次長期滞在クルーとして、昨年11月7日にカザフスタンのバイコヌール基地からソユーズ宇宙船に乗り、飛び立った。ISSでは若田さんは日本実験棟「きぼう」での様々な実験や超小型衛星の放出など担当した。今年3月9日からは第39代のISS船長となり、帰還前日までの66日間、6人から成るISSクルーのリーダーを勤めた。
日本の宇宙飛行士がISS船長を勤めたのは今回の若田さんが最初であり、今回で4回となる宇宙飛行の回数と、4回通算で348日にのぼる宇宙の滞在日数も日本人宇宙飛行士では最多となった。また、若田さんの今回飛行の宇宙滞在日数188日は3年前に古川聡宇宙飛行士が記録した167日を抜き、1回の宇宙飛行記録としては日本人で最長となった。
この日、若田さんらは午前7時35分にISSから離脱した。着陸の26分前に帰還カプセルを宇宙船から分離、着陸23分前に地球の大気圏に突入。大きなパラシュートが開き、衝撃を和らげるため、着地寸前に小さなロケットを逆噴射、無事着陸した。カプセルから出た若田さんは「ありがとう。地球は掛け替えのない故郷と思います」と語った。
今回の若田さんの帰還について宇宙航空研究開発機構の奥村直樹理事長は「ISS船長としての若田さんの活躍は日本の有人宇宙活動の歴史に新たなページを刻むもので、今回の成果を踏まえ、第2のISS日本人船長誕生に繋げていければと思っている」との談話を発表した。今後の日本人宇宙飛行士のISS滞在としては、来年6月頃から油井亀美也宇宙飛行士が、再来年には大西卓哉宇宙飛行士が、それぞれ約半年滞在することが決まっている。