
上は、今回の調査で見出され、新種記載されたフキアゲニリンソウ(キンポウゲ科)。下は、12年ぶり、2度目の記録として繁殖成功が確認されたオオタカのヒナ(提供:国立科学博物館)
(独)国立科学博物館は5月16日、皇居(東京・千代田区)内で生息・生育する動植物の種数などを調べた「皇居の生物相調査(第Ⅱ期)」の結果を発表した。同博物館は、平成8~12年度に第Ⅰ期の「皇居の生物相調査」を実施し調査結果を発表しているが、それに続く調査で平成21~25年度にかけて実施した結果をまとめたもの。
調査は、同博物館の職員など31人に外部の研究者61人が参加して行われ、第Ⅰ期から約10年が経過した皇居の動植物を調べあげた。
その結果、711種の植物と、2,737種の動物、合わせて3,448種が確認され、その内の植物250種と動物649種の899種が皇居初記録種、植物24種と動物21種の45種が日本初記録種だったとしている。
同博物館は、「大都市東京の中に位置する皇居の生物相の現状を可能な限り捉えた」とし、「皇居には健全な自然環境が引き続き良く保存されており、他の都内緑地と比較して極めて多様な生物が生息していることが分かった」といっている。