(独)農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センターは4月21日、イタリア料理のリゾットに向いた高収量の水稲の新品種を開発したと発表した。
リゾットは、米に油を加えて炒め、スープを加えながら炊く人気のイタリア料理。使う米は、イタリア原産の「カルナローリ」と呼ばれる大粒品種が最適とされ、日本国内の多くのイタリア料理店がそれをイタリアから輸入して使っている。
しかし、「カルナローリ」には、倒れやすく低収量で、脱粒や発芽しやすいなどの弱点があるため、イタリア産米は高価で、リゾットに適した国産米の開発が求められていた。
同研究センターが育成した水稲新品種の名称は、「和(なご)みリゾット」。同研究センターの北陸研究センター(新潟・上越市)が平成18年から研究に着手し、「カルナローリ」と国産の「北陸204号」を交配して作り出した。平成25年に品種登録出願を終えている。
「和みリゾット」は、「カルナローリ」より高収量で倒れにくく、米粒の大きさが「カルナローリ」並みの極大粒で、「カルナローリ」に近い食味のリゾットが作れるという。
国内のイタリア料理店での評価も高かったことから、柏崎市(新潟)で国産リゾット用米として平成26年度から作付けが予定されているという。

「和みリゾット」の籾(もみ)と玄米。左から「ひとめぼれ」、「和みリゾット」、「カルナローリ」の順(提供:中央農業総合研究センター)