(独)産業技術総合研究所は3月5日、遮光遮熱塗料や電磁波シールド塗料などの製造販売会社n-tech(株)と共同で不整形シリカを使った新しいタイプの遮熱塗料を開発、輸送用コンテナの遮熱などに有効なことを確認しと発表した。 遮熱塗料は従来、中空ビーズや真球ビーズを使ったものが主流だったが、今回はそれらの代わりに粒子径1~4㎛(マイクロメートル、1㎛は100万分の1m)の安価な不整形のシリカ(二酸化ケイ素)を使って作製した。 輸送用コンテナに塗って性能を試験したところ、外気温の変化に比べてコンテナ内の温度の変化は少なく、良好な遮熱効果が認められたという。換気装置と併用すると結露を防止できるため、輸送物品の過剰な包装を減らすのに役立つとしている。 また、石油タンクの天板の一部に塗布した実験では、表面温度が未塗布部よりも10℃以上低くなることを確認した。低温で貯蔵する必要がある化学物質の管理が容易になることが期待できるとしている。 新塗料は温度刺激による劣化が少なく、塗膜厚を0.2㎜と薄くしても遮熱効果が得られる。今後、ガスタンク、タンクローリー、火薬庫などでも試験し、早期実用化を目指したいとしている。
詳しくはこちら
|
 |
上は従来の中空ビーズを用いた遮熱塗料の拡大図。下は今回開発した不整形シリカを用いた遮熱塗料の拡大図(提供:産業技術総合研究所) |
|