(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月27日、国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙飛行士の船外活動を支援する「EVA支援ロボット実証実験(REX-J)」で、空間移動性能技術実験を行い、性能は実証されたと発表した。実験はISSの日本実験棟「きぼう」の船外実験プラットフォームを使って行われ、支柱に引っかけた紐を延ばしたり、縮めたりすることで、ロボットは求めた方向へ移動できた。
ロボットは箱形をしており、伸縮自在の約2mの”腕”の先に”手”を持つ。この腕と手を使って、備え付けの紐の先端のフックをプラットフォーム上の支柱などに引っかけ、それぞれの紐の長さを自力で伸ばしたり、縮めたりすることで、ロボットを任意の方向へ移動させる。例えば、四隅に着けた紐の3本を伸ばして1本を縮めれば、ロボットは縮めた方向へ移動する。今後は腕の先端部にカメラを着け、「きぼう」周辺の画像撮影などこれからのEVA活動支援に利用出来る技術の実験を行う予定。
このロボットは、平成24年7月に物資輸送用の無人宇宙船「こうのとり」3号機で、JAXAの種子島宇宙センターから打ち上げられ、「きぼう」に取り付けられた後、同年10月から実験に使われていた。移動に紐を利用する方式のロボットは、世界初という。
No.2013-8
2013年2月25日~2013年3月3日