(独)産業技術総合研究所は9月26日、同研究所つくばセンター(茨城・つくば市)に省エネ技術を結集した次世代のデータセンターを構築したと発表した。
近年、情報流通の核となるデータセンタ-の消費電力が急増し、その省エネ化が求められている。完成した新データセンターは、同研究所と、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構、日本電気(株)、(株)NTTファシリティーズ、三菱電機(株)、長崎大学が共同開発したもので、データセンターでの全消費電力を従来に比べて30%以上削減できることを検証していくとしている。
データセンターでは、サーバーの集積密度が年々増加しており、数年前2~6kVA(キロ・ボルト・アンペア)だったラック当たりの消費電力が、最近は8~20kVAになろうとしている。
新データセンターは、空気より熱伝導率が高い液体を使ってサーバーの熱を取り除く液冷のファンレスサーバーや、エアコン(空調機)を使わず外気導入でサーバーを冷却するエアコンレスデータセンターを組み合わせるなどして、総消費電力を従来のモジュール型データセンターより30%以上少ない19.6kW以下にすることを目指している。
産総研は、今回構築したデータセンターを今後1年以上運用して実際的な運用状態での消費電力削減効果を評価する計画。
No.2012-39
2012年9月24日~2012年9月30日