(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大学は9月7日、プラズマ実験装置を使って太陽で起きているのと類似の現象を地上で再現することに、世界で初めて成功したと発表した。 太陽の表面は「光球」と呼ばれ、その上空に「彩層」という薄い層があり、さらにその外側に「コロナ」が拡がっている。温度は、表面から遠ざかるほど高温で、光球の6,000度に対し、彩層は7,000~10,000度、コロナでは100万度を超えることが知られている。 JAXAと東大の研究チームは、東大のプラズマ実験装置を使い光球とコロナの中間にある彩層の活動と類似の現象を再現したもので、世界初の成果という。 実験に使ったのは、東大大学院新領域創世科学研究科の「TS-4球状トーラス実験装置」で、1万~約3万度まで急速に加熱されるガスや、時速2万kmの速さで吹き出すジェット、加熱に伴って発生した磁場の激しい揺れ、などの現象を観測した。 地上に再現したこの“ミニ彩層”について「規模こそ違うものの、太陽で観測される彩層ジェットに類似した特徴を持っている」と研究チームはいっている。 この実験的手法に基づく研究をさらに進めれば、太陽活動の理解が大きく進むものと関係者は期待している。 この成果は、米国の専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」9月10日号に発表される。
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太陽観測衛星「ひので」がとらえた彩層ジェット(提供:JAXA/国立天文台) |
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