(独)農業・食品産業技術総合研究機構は7月20日、耕作放棄水田で栽培する牧草として有望視されている「フェストロリウム」の新品種「東北1号」に最適の刈取り体系を考案したと発表した。
全国的に年々増加している耕作放棄地は、東北地域が最も多く、その半分近くを水田が占め、そうした耕作放棄水田を使って作る新作物の一つとして牧草が挙げられている。しかし、耕作放棄水田の多くは、排水が良くないため湿害が発生し易いという問題を抱えている。
その解決策として同機構の東北農業研究センターが開発したのが湿害に強いフェストロリウムの新品種「東北1号」。フェストロリウムは、栄養価が高く、収量性に優れた牧草で、欧米中心に品種改良が行われてきたが、日本での新品種開発は「東北1号」が初。
今回そのフェストロリウムの新品種「東北1号」を最も多く収穫できるようにする刈取り体系を見つけたもので、春・夏・秋の年3回の刈取りが行え、一度種をまけば3年程度刈取りを続けることが可能という。
「東北1号」は、平成25年度に主な種苗会社から販売される予定になっている。
No.2012-29
2012年7月16日~2012年7月22日