新カーナビ使い物流効率化に向けた実証実験を開始
:国土交通省

 国土交通省は2月20日、高度道路交通システム(ITS)の通信アンテナ「ITSスポット」を利用した物流効率化の実証実験を同日開始したと発表した。配送拠点から量販店に商品を運送するトラックを実験車両として用い、ITSスポットで収集した情報をもとに車両の運行管理や荷物の配送管理、交通の分析などについて実験、検討する。
 ITSは、道路交通の安全性や輸送効率の向上、環境対策の強化などを目的に、カーナビとETC(電子料金収受システム)の機能を進化・一体化させたようなサービスの実現を目指して各国が開発、実験を進めている新しい道路交通システム。日本では、昨年8月までにITSスポットを高速道路を中心に全国約1,600個所に整備、広範囲な道路交通情報の提供や安全運転支援のためのサービスなどを始めた。
 今回の実験は、物流効率化への活用法を探るのが主な狙い。電機関連のメーカー・物流会社18社、家電量販店3社などが参加している官民合同の「博多アイランドシティ次世代物流研究会」が中心になり、九州地方で実験する。「ITSスポット対応カーナビ」と呼ばれる車載器を物流事業者の車に取り付け、博多港にある配送拠点から九州各地の家電量販店に向かう車両のプローブ情報(走行位置などの情報)をITSスポットで収集、道路管理者のプローブ処理装置を経由して物流研究会にリアルタイムで提供する。
 同物流研究会は、提供された情報をもとに、最適な運行管理やエコドライブ・安全運転の支援の可能性、納品効率化の可能性などを検討する。また、道路管理の観点から、渋滞ボトルネック個所把握の可能性や、潜在的な事故危険個所の把握の可能性なども検討する。
 国交省では、今回の実験により納品の効率化や運行管理の高度化などが期待できると見ている。

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