(独)農業・食品産業技術総合研究機構は2月24日、水田に肥料として投入するカリウム量のコントロールで、土壌から米(玄米)への放射性セシウムの移行を低減できることが分かったと発表した。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、同研究所の中央農業総合研究センター(茨城・つくば市)が(独)農業環境技術研究所、福島県、茨城県、栃木県、群馬県と連携して実施した研究の成果。
放射性セシウムで汚染された水田でも、作物に吸収され易い「交換性カリ」と呼ばれるカリウム分が土壌100g当たり25mg程度含まれるよう土壌改良すると、玄米中の放射性セシウム濃度が低くなることが判明したという。
カリウムは、植物の3大肥料要素の一つ。水田の交換性カリの目標値は、地域によって異なるが、土壌100g当たり15~30mg程度。交換性カリ濃度をそれと同程度の25mgに保てば放射性セシウムの玄米への移行を低減でき、濃度を高くし過ぎても移行を防ぐ効果がほとんど生じないことが分かったとしている。
No.2012-8
2012年2月20日~2012年2月26日