(独)物質・材料研究機構は1月30日、英国のグランタ・デザイン社に同機構が保有する金属材料に関する特性データを提供することで合意したと発表した。
同機構は、材料を総合的に研究している唯一の独立行政法人で、金属材料の長期挙動に関する技術蓄積は世界的に高く評価されている。
一方のグランタ・デザイン社は、1994年にケンブリッジ大学の2人の教授が設立したベンチャー企業で、材料情報システムの開発と販売で実績があり、ウェブからのアクセスが容易な「GRANTA MI」と呼ばれる最新の材料情報管理システムを運用している。
今回の合意は、同機構が保有する金属材料の長期挙動データ(クリープと疲労特性データ)をグランタ・デザイン社に提供し、「GRANTA MI」に組み込むというもの。
同機構は、これまでも材料の数値データなどを同機構の物質・材料データベースなどで無料公開しているが、「GRANTA MI」に組み込まれることでデータのさらなる活用が期待される。
グランタ・デザイン社は、2012年後半までに今回合意した物材機構のデータにアクセスできるようにする計画。同社は、「多くの人がこの世界的な材料情報にアクセス可能となるようにする」とコメントしている。
No.2012-5
2012年1月30日~2012年2月5日