筑波大学附属病院は1月10日、肥満症の新療法として注目されている「胃内バルーン療法」による治療を開始したと発表した。この新療法の実施は、茨城県内ではこれが初めて。大学病院では、大分大学、慶応大学、横浜市立大学がすでに行っており、4番目。
食生活の欧米化や運動不足などから日本の肥満人口は、過去40年間で約3倍にもなっている。肥満症は、高血圧や糖尿病だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞につながることから、食事療法や運動療法、薬物療法が行われているが、十分な効果をあげられないでいる。
こうした中、肥満先進国の欧米で開発されたのが、胃内バルーン療法。この新減量法は、内視鏡を使って胃の中にシリコーン製の風船(バルーン)を入れ胃の中で一定の大きさに膨らませ、胃の内容積を小さくして食事量を減らし体重を軽くするというもの。胃の中に入れたバルーンは、半年後に内視鏡で取り出すが、その半年の間に「7~30kgの体重減少と、肥満に伴う糖尿病などの健康障害の改善を確認している」と同病院はいっている。
治療には、数日の入院と、総額30万円前後の費用がかかる。
No.2012-2
2012年1月9日~2012年1月15日