(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月10日、同機構の筑波宇宙センター(茨城・つくば市)で2012年度に打ち上げる計画の水循環変動観測衛星「しずく」を報道関係者に公開した。 「しずく」は、宇宙から地球全体の降雨量や海面の水温などのデータを収集して地球温暖化防止に役立てることを目指す大型衛星で、同機構の主力大型ロケット「H2A」で同機構の種子島宇宙センター(鹿児島)から打ち上げる。 公開された「しずく」の大きさは、5.1m×17.5m×3.4m。重さは、約2t。約180億円かけて開発した。宇宙では世界最大となる直径2mの回転アンテナを搭載、高度700kmで地球を周回し、地表の水から放出される微弱なマイクロ波を観測して地球温暖化を監視する。わずか2日間で地球の99%以上を観測することができるという。 同機構は、観測データをインターネットで一般公開することを計画しており、海面水温データは漁業に、土壌の水分データは農業にそれぞれ利用できるものと期待されている。
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高度700kmの宇宙から地球温暖化を監視する「しずく」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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