(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業㈱は7月8日、「H-IIA」ロケットに続く大型ロケットとして開発してきた「H-IIB」ロケットの試験機を9月11日、同機構の種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から打ち上げると発表した。 H-IIBロケット試験機は、日本初の宇宙ステーション補給機(HTV)を搭載して高度350~460kmの地球周回軌道を回る国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に日用品や実験装置などを運ぶ。打ち上げの時間は、同日午前2時4分(日本時間)頃の予定で、ISSの軌道により変わることもあるという。 H-IIBロケットは、現在の日本の主力ロケットH-IIAの能力を高め、HTVをISSに運んだり、H-IIAとの併用で今後の幅広い打ち上げ要求に対応することを目指し開発された。 H-IIBがH-IIAと違う点は、第一にIIAでは1基だった1段目の液体ロケットエンジン(LE-7A)を2基に増強、1段目タンクの直径を4mから5.2mに拡大し、全長も1m伸ばして、推進薬を約1.7倍にした。それと共に、標準型では2本だった固体ロケットブースター(SRB-A)を4本にした。 一方、HTVは、全長約10m、直径4.4mの円筒型で、本体重量は約10.5t。H-IIBロケットは、最大6tの補給物資を積んだHTVをISSの「きぼう」まで送り届けることができる。 HTVは、ISSへの補給が終われば「きぼう」での実験を終えた実験装置や使用済みの日用品などを積み込んでISSを離れ、大気圏に再突入して燃え尽きる。 HTVは、種子島宇宙センターで組み立て済みで、これから全機点検など、打ち上げに向けた最終準備段階に入る。 H-IIBロケットによるHTVの打ち上げは、9月の技術実証機に続き、来年度に運用1号機の打ち上げが計画されている。 詳しくはこちら |  |
「H-IIB」ロケット(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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