（独）宇宙航空研究開発機構（JAXA）は12月10日、国立極地研究所と共同で苛酷な環境での健康管理に関する共同医学研究を実施することになったと発表した。
　宇宙と南極には共通点が多い。たとえば、室内照明だけの国際宇宙ステーション（ISS）と、夏は白夜・冬は太陽光のない極夜の南極では、共に通常の日照変化と異なる環境での生活を強いられる。また、重力のない宇宙環境では筋肉が弱くなりやすいため継続的な運動が必要だが、南極でも極夜の冬季には動く機会が少なくなるのでそれを補う運動が必要になる。
　今回決まった共同医学研究は、日本の南極観測隊員から被験者を募って宇宙飛行士の健康管理に関連する医学研究データを南極で取得、宇宙での長期滞在と南極越冬生活での健康管理技術の向上を図ろうと実施するもの。
　第50次南極観測隊員を対象に2010年春までかけて[1]特殊な日照時間の体内リズムへの影響に関する研究、[2]「ハイブリッドトレーニング法」と呼ばれる新しい運動トレーニング法の有効性に関する研究―をそれぞれ行うとしている。

詳しくはこちら