明治初期の関東地方の土地利用状況ネット上で公開
:農業環境技術研究所

 (独)農業環境技術研究所は4月16日、明治時代初期に作られた関東地方の「迅速測図」と呼ばれる地図を電子化し、インターネット上で誰でも自由に閲覧・利用できるようにしたと発表した。
 迅速測図は、明治時代の初期から中期に簡便は方法によって作られた地図のこと。中でも関東地方の迅速測図は、土地の利用状況が色から分かるよう作られている。
 同研究所は、関東地方の迅速測図約900枚をつないで1枚の画像にまとめ現在の地図情報と自動的に重ね合わせられるようにした「歴史的農業環境閲覧システム」を構築、同研究所のWebサイト(http://www.niaes.affrc.go.jp/)で閲覧・利用できるようにした。明治初期の土地利用は、里地里山の原風景ともいえるが、現在と120年前の土地利用状況を容易に比較できる。
 昨年11月に閣議決定された「第3次生物多様性国家戦略」では、農業の変化に伴う生物多様性の減少や里地里山の荒廃を重要な問題だと指摘している。今回のシステムの閲覧で得たデータと、現在の土地利用の状況とを比較すれば、関東地方の生物多様性の変化や生息適地の変動に関する基礎的資料が得られると同研究所では言っている。

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