
耕うん同時畝立て播種の様子(提供:(国)農業・食品産業技術総合研究機構)
(国)農業・食品産業技術総合研究機構は9月11日、排水不良の農地に好適の飼料用トウモロコシ栽培法を見つけたと発表した。
わが国の飼料用トウモロコシの作付面積の約1割にあたる9000haは水田が占めている。排水が悪いと収量が大きく減少する問題を抱え、湿害軽減技術の開発が求められている。今回の成果は、それに応えるもので、同機構の中央農業総合研究センターが開発した播種技術を使う。
この播種技術は、土を掘り返すロータリの後部に種子を播く播種機を組み合わせた「耕うん同時畝(うね)立て播種技術」で、大豆などの湿害軽減のために開発されたが、同センターと同機構の畜産草地研究所が共同で平成18年から飼料用トウモロコシへの適用を研究していた。
それによると、ロータリの耕す深さや平らにならす均平板の高さを調節して畝の高さが約10cm程度になるように調節、播種機も調節して播種深度が3~5cm程度に設定。これまでよりも高い位置にタネをまくことができ、湿害発生を軽減できるという。
研究によると、土地が過湿となるほど湿害軽減効果は顕著になり、播種に要する作業時間を今より約3割削減できることが分かったとしている。