
国際宇宙ステーションの第54/55次長期滞在が決まった金井宣茂宇宙飛行士(提供:JAXA)
(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月26日、宇宙飛行士の金井宣茂(のりしげ=38歳)さんが地球周回飛行中の国際宇宙ステーション(ISS)の第54/55次長期滞在クルーの一人として2017年11月頃から約6カ月間、ISSに滞在することになったと発表した。金井さんはISSに滞在中、フライトエンジニアとしてISSの運用や宇宙環境を利用した科学実験などを担当する。
■ISSの運用や宇宙環境を利用した科学実験行う
金井さんは東京都生まれの千葉育ち。防衛医科大卒の医師で、ダイバーの健康管理など担う潜水医学の専門家として海上自衛隊第一術科学校などに勤務した後、2009年に宇宙飛行士候補に選ばれてJAXA入り。訓練を受け、2011年に宇宙飛行士に認定された。現在ISSに搭乗飛行中の油井亀美也宇宙飛行士と2016年6月頃からISS搭乗が決まっている大西卓哉宇宙飛行士は、この時、同時に宇宙飛行士に認定された同期生である。
金井宇宙飛行士は、2017年が初の宇宙飛行で、ISSへの往復にはロシアのソユーズ宇宙船を利用する。このため、ソユーズ宇宙船搭乗とISS長期滞在に必要な訓練を2016年1月に開始する。
JAXAの宇宙飛行士のISS長期滞在は、予定を含めて今回決まった金井さんが7人で8回目(若田さんだけ2回搭乗)。JAXAの発表後、記者会見した金井さんは潜水医学の専門家だったことから「『深海から宇宙へ』のキャッチフレーズで売り出したい」とジョークを交えながら「宇宙の面白い実験を分かりやすく伝えたい」と語った。