「ケルセチン」を多く含む緑茶見つける
:農業・食品産業技術総合研究機構(2015年5月20日発表)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構は5月20日、「ケルセチン配糖体」と呼ばれる機能性のポリフェノールを多く含む緑茶を既存の品種の中から見つけたと発表した。ケルセチン配糖体は、カテキンと同様に高い抗酸化能をもつ物質。

 ケルセチン配糖体は、タマネギやブロッコリーに含まれる黄色の色素。人の体内に入ると血管機能の改善や脂質代謝改善など様々な生理活性を示すことが報告され、ケルセチン配糖体を添加した緑茶飲料は「特定保健用食品(トクホ)」として販売されている。

 緑茶の主力品種は、「やぶきた」。茶どころ静岡県では、全茶園の90%以上で「やぶきた」が栽培されている。

 今回の成果は、既存の緑茶45品種について新芽の浸出液中の成分含量を調べたところ、そのうちの2品種「そうふう」と「さえみどり」が、「やぶきた」よりケルセチン配糖体を約2.5倍も多く含むことを見つけた。

 「そうふう」は、同機構の野菜茶業研究所が2005年に、もう一方の「さえみどり」は農林水産省の野菜・茶業試験場が1991年にそれぞれ品種登録した早生品種。同機構は、この2品種なら「通常飲用する濃度のお茶数杯でタマネギ半個分相当のケルセチンが摂取可能」といっている。

 研究の詳細は、(公財)日本食品科学工学会が5月20日に発行した「FOODSCIENCE AND TECHNOLOGY RESEARCH」に掲載されている。

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