(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月18日、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」の観測画像を用いて整備した世界の陸地の起伏を、広さ30m四方ごとに示す世界標高データセット「30mメッシュ版」の無償公開を始めたと発表、まず日本を含む東アジア・東南アジア域のデータを公開した。今後順次、対象区域を増やし、世界の南北緯82度以内の陸地まで広げて行く。
■300万枚の画像を活用
ALOSはJAXAが2006年1月にH-ⅡAロケット8号機で打ち上げ、2011年5月まで運用した日本最初の陸域観測技術衛星で、3種の観測機器で地表を観測した。運用終了後、JAXAは搭載のパンクロマチック立体視センサーが撮影した雲の少ない画像約300万枚を活用して「全世界デジタル3D地形データ」を作成した。今回無償公開開始のJAXAの世界標高データセット「30mメッシュ版」は、この「地形データ」をベースに作られた。
JAXAの世界標高データセット「30mメッシュ版」の基になった「全世界3D地形データ」のデータは、水平解像度5m、高さ精度5mで表現されており、現在、世界規模で整備されている標高データセットでは最高の精度。
このため、今回無償公開したJAXAの世界標高データセット「30mメッシュ版」は、このメッシュの標高データセットとして高さ精度は世界最高水準のものであり、科学研究や教育分野、各種インフラ整備から防災用途、資源調査などに様々な形での利用が期待されている。