(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月8日、熱帯域の降雨状況を宇宙から観測してきた熱帯降雨観測衛星「TRMM」が同月7日(世界標準時)をもって運用を終えたと発表した。
日本が世界に先駆けて衛星搭載型降雨観測レーダーを開発し、それをTRMMに搭載して「H-Ⅱ」ロケット6号機で打ち上げたのが平成9年11月28日。設計寿命は、3年強だったが、実際はそれをはるかに上回り、実にその5倍以上の17年目の運用に入っていた。
しかし、今年の7月8日に実施した軌道高度維持で、燃料の枯渇を示す燃料タンクの圧力の急激なダウンが確認され、ついに10月5日、軌道高度が降雨観測レーダーの観測高度範囲の下限と決めている392.5kmに達したため、10月7日で降雨観測レーダーの運用を終えた。
ただ、降雨観測レーダーの観測機器そのものには異常がないことから、これからの軌道降下中も今後、約半年間は降雨観測レーダーの試験運用を行う予定という。