(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月24日、南極海の海氷の面積が9月20日に、人工衛星による観測が始まった1970年代以降で最大となる2,012万km2に達したと発表した。
これは、同機構が2012年5月に打上げた水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)に搭載の高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)による観測で判明したもの。
これまでの最大面積は、昨年9月に「しずく」を使って計測した1,949.5万km2だったが、それをさらに62.5万km2上回ったことになる。その増加量は、日本の本州、九州、四国を合わせた面積の約2倍に相当する。
北極海の海氷面積が近年減少傾向をたどっているのに対し、南極海の海氷面積は2012年、2013年と最大面積記録を更新しており、3年連続の記録更新となった。
南極海の海氷面積は、例年気温が最低となる9月中旬頃に最大期を迎え、その先の気温が上がる春減少に転じていることから、「9月20日の海氷面積が今年の最大面積になる見込み」と同機構はいっている。

「AMSR2」が捉えた南極域の2014年9月20日の海氷密接度分布(提供:JAXA)