(独)防災科学技術研究所は7月2日、スイスの「スイス連邦雪・雪崩研究所(SLF)」と、包括的研究協力協定を7月1日に締結したと発表した。
防災科研は、レーダーなどを使っての降積雪の観測をはじめ、雪崩・吹雪・着雪氷などの災害の発生予測モデルの開発を行っている。特に近年は、温暖化によって多発するのではと心配されている湿雪による災害の研究に力を入れている。
一方、SLFは、スイスの自然災害の中で特に被害が大きい雪氷災害の中心的研究機関で、研究に加え現業としてスイス全土の雪崩予測を担当している。
この両研究機関は、これまでもSLFが開発した雪崩予測のための積雪モデルを日本の湿雪に合うように改良する共同研究を行うなど個別の課題で研究協力を行ってきた。
今回の協定は、両研究所間の研究者の交流や情報交換をより円滑、活発に行うことを目的に締結したもので、「雪崩や吹雪災害の発生機構の解明などの共同研究が進むことが期待される」と防災科研はいっている。