(独)防災科学技術研究所は7月4日、フランスのジョセフ・フーリエ大学地球科学研究所、パリ地球物理研究所、東京大学地震研究所の研究者らと共同で、日本列島の地下の高圧化した火山性流体の存在場所をマッピング(地図作成)することに成功したと発表した。
火山性流体は、火山周辺の地下に存在する火山ガスや熱水、マグマなどのことで、今回の成果は、2011年の東日本大震災前後の地震波速度の変化をフランスのグルノーブル市にある高性能コンピューターシステムを使い数カ月かけて解析して得た。
解析の結果、同地震によって地下の地震波速度が地震前より低下した地域が岩手県から福島県にかけて南北に走る東北地方の背骨にあたる山岳地域に発生し、地震波速度の低下が大きかった地域の中に「第四紀火山」(約180万年前から現在までに活動した火山)などの火山地域が入っていることが判明。地震波速度低下の原因が火山の下の高圧状態の火山性流体によって生じているとして東北地方のどの地域の地下に高圧の火山性流体が存在するかを示す火山性流体地図を作った。