
JEM-GLIMSが収められているポート共有実験装置(提供:JAXA/NASA)
(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月25日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本の実験棟「きぼう」に搭載している高速測光撮像センサーで得た研究成果が、このほど米国のシカゴ市で開かれた「第3回ISS研究開発会議」で米航空宇宙局(NASA)が発表した2013年のISSでの「最も優れた研究実績」14件の中の一つに入り、NASAから表彰されたと発表した。
このセンサーは、高高度での放電発光現象(スプライト)や雷を捉える「スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサー(JEM‐GLIMS)」と呼ばれるJAXAと大阪大学、北海道大学、米国スタンフォード大学など8機関との共同開発品。
JAXAは、このセンサーを2012年7月に宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機で地球を周回するISSに届け「きぼう」の船外実験装置に取り付けて観測を開始し、スプライトと雷放電を高精度に真上から継続的に計測することに世界で初めて成功したと2012年12月21日に発表している。
今回の表彰は、JEM‐GLIMSによってスプライトの位置の特定が可能になったことなどをNASAが高く評価したもので、「地球のオゾン層にスプライトが与える影響についてより定量的に理解できるようになった」とNASAは受賞理由の中でコメントしているという。